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                 はじめに

国内企業の9割以上を占める中小企業は、中小企業憲章にも謳われております通り、正に「経 済を牽引する力であり、社会の主役」です。しかしながら現在、中小企業の経営環境は、資源価 格の高騰や電力料金の引き上げ等のコスト上昇要因に対し、それらを製品やサービスの価格に十 分転嫁できていない厳しい状況下にあります。また地球温暖化や環境汚染等、人類の活動に起因 する環境問題への対策も喫緊の課題となっており、中小企業も環境への対応を求められています。

そのような中、環境が有する様々な価値に気付き、環境対策を実践することで、競争力強化、 付加価値向上、売上増加へとつなげている中小企業が数多くあります。

環境対策には、省エネルギー対策、マテリアルフローコスト会計、環境マネジメントシステム など多くの対策があります。それらの対策は、環境改善効果に加え、コストカットや組織力向上 などの経営改善効果があり、うまく活用すれば競争力強化、付加価値の向上、新規開拓へとつな げられます。さらに、それらを複合的に取り入れ、戦略やビジネスモデルにまで環境を組み込む ことで、より大きな経営改善効果を期待できるのです。  

そこで本誌では、環境対策の経営上の効果を知っていただくため、先行的に成果を上げている 企業事例をとりまとめました。本誌を手に取られた企業や支援者の皆様は、先行的な他社の事例 を自社の経営の参考にしていただき、環境視点で経営力を向上させることを期待しております。  

なお、この「事例集」の別冊として、環境対策を経営改善につなげるためのテクニック集「基 本編」「実務編」もご用意しましたので、併せてご活用ください。  

最後に、刊行にあたり多大なるご協力を賜った東京工業大学 特任教授 小山富士雄様を座長とす る検討会委員各位、本誌への事例掲載をご快諾いただいた企業各位、本誌の刊行にご尽力下さっ た皆様に、
厚く御礼を申し上げます。  

平成25年3月  
関東経済産業局 

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